かんから・カン

　それが重なりに重なり合って弟は　「大腸ガンで先がやばい」とボクの頭の中で決定付けられた。
弟の病院へ着くとやつれた弟がカウンターの看護師と何か話している。そして　「N病院へ行ってください。緊急扱いにしているのですぐに診察が受けられます。急いで行って下さい。」　と言われる。
弟はボクの後ろからスタスタと10ｍも遅れてついて来る。　「かなり悪いのかなー」　と彼の歩足にイライラしながら不安もつのる。N病院では30分の待ち時間で診察を受け、検査に90分程かかった。そして彼が伏せている診察室へ呼ばれてびっくり。
　「何でも無いですよ。いたって健康。おしりの粘膜が傷ついて出血が起こる事もあるので心配する事は何一つありません」　担当医は弟をベットに寝かせたまま話す。彼はすぐに跳ね起きて着替えを済ませて車へ戻る。
「お前はジェーソンみたいだなぁ」　「ジェーソンって何だ」
「13日の金曜日の主人公よ。死んでも死んでも生き返るジェーソンよ」
弟はニタァって笑って「シージャ、ありがとうよ」って言いながら彼の待つ病室へ帰っていった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　20210年9月8日（水）晴れ　AM　9：55