2011年01月21日
インドへ行く No-6
インドへ行った目的がフランスの尊敬する建築家ル・コルビジェが設計したチャンディガールも見に行く計画に入っていたのだがインドの貧しさに触れるたびに「建築家」に対する疑問が沸きだしてきた、「家を持てない人たちの為に我々は彼らに何が出来るのか?」家を持てず、一日の飯を食べるために物貰いをしなければ生きていけないという現実を目にして「素朴な疑問」が何度も何度も僕を襲ってくる。もしこの年であの「極限の貧しさ」の光景を見せつけられたら20代のときと同じ「怒り」が込み上げてくるだろうか、はなはだ疑問ではあるのだが、あの時のボクの若さは「建築」よりもインドの現実をより多く体感する事に惹かれてしまった、建築に興味を示す事無く「インドのこの貧しさは何なのか、何故なのか?」それを知ることに走っていった。そしてホテルを通して日本語の話せるガイドを雇っててもらう、彼の名は「ヨゲシャー」。デリー大学で日本語を専攻する学生である。その前に話さなければならないエピソードを一つ、デリーの町を歩いているといきなり頑強な男に「カモン、カモン」と言われながら彼の店の地下に強引に引きずられるように連れて行かれる、もちろんボクは怖いものだから恐ろしいものだから「ノウ、ノウ」と言って断るのだが彼は笑みを持って「カモン、カモン」としか言わない。おそらくここで殺されても誰にもみつからないだろうなとの不安が込み上げてくる、彼は真っ暗な地下室へつくとロウソクをつけ布切れを拡げて石を見せる、おそらく密輸物の宝石の原石であろう、しつこく親指を立て上下にふる「本物だ、本物だ」のゼスチャーなのだろう、がボクは一分でも、一秒でも早くここを立ち去りたいものだから「How much?」としか言えなかった。値段がいくらだったか忘れたがそんな高いものではなかったと記憶する。この原石おふくろに「インドからのお土産だ」といってプレゼントしたのだが余程信用が置けなかったのだろう、(まー自分も本物とは信じていなかったが)宝石屋に鑑定してもらったら「本物のルビー」だというのを後日聞いた。結構大きな石だったがインド人恐るべしである。言葉の通じない恐ろしい体験からボクは「ガイド」を雇う事にしたのである。
(金)曇り少雨 AM11:51
(金)曇り少雨 AM11:51
Posted by かんから・カン 店長 at 11:54│Comments(0)
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