かんから・カン

僕のかみさんは非常に変わっている。収集癖が異常なのである。収集癖といえば切手の収集とか骨董品のコレクターなら理解できるのだが彼女の場合には物を捨てないのである。とにかく物を捨てない。だから我が家にはいたるところの収納場所にごみが放置されている。彼女からすればゴミではないのであろうが。3日前に僕はそれが我慢できずに住みかとお店の物入れを整理することにした。驚くなかれお店の物入れからは高級な箱に収められていたきれいな琉球ガラスのコップは出てくるわ、ゴルファの石川寮がコマーシャルでおなじみの未使用の英語のCD は出てくるわ、子供の赤ちゃんのころに誰かからもらった新品のベビー服は出てくるわである。彼女は集めるだけ集め何がどこにあるのか完全に忘れている。彼女の記憶から消えてしまっている。それはそうだろうゴミ、芥と一緒に誰かからいただいた、プレゼントされたものが一緒にほったらされているのだから。もし今僕たちのアパートを引っ越すことになったら高額なゴミ処理代を請求されることを僕はおそれ毎日少しずつこれらのゴミ芥を少しづつ捨てることにした。おそらく産業ゴミを収集する業者は不思議に思うだろう。以前に彼女の本棚に「物の超整理法」なる本を発見し「いらない物を捨てることが一番の整理法だ」と言ったことがある。まさかこれが現実となってしまうとは。おのれはアホか、ゴミと大切なものの見分けもできないとは。