かんから・カン

不覚にも一昨日から風邪をひいてしまった。それで昨日は花の金曜日だというのに予約も少ないゆえ体調不良を言い訳にお店を休むことにした。しかし、うちのカミさん何をとち狂ったのか、寒気で布団にもぐりこんでいるボクのそばに来て「子供たちと一緒に実家へ一泊してもいいですか？」ボクの顔色と機嫌を伺いながら言う。どうせ以前から練っていた計画ゆえ「すこぶる体調の悪いボク」に関係なく彼女の顔には実家へいく楽しみの笑みさえ滲み出ている。そんな彼女たちの楽しみを奪い取るようなバカな亭主でもなくバカな父親でもない。今日は予約が少ないからスタッフにお店を任せようと言ったボクに対して「ホールのYさんには事前に話してないから１０時までには必ずお店に戻ってきますから」と彼女は言う。突然の風邪ゆえスタッフに事前の説明などいるかと思うと共に、ボクはそろそろスタッフにお店を任せてもいい時期ではなかろうと思ってもいたのでその日はお店を休むことにした。楽しそうに家を出る彼女の背に向けてボクが言う「たまにはぼく達ががいないほうがお店にとってもいいのでは」の言葉を聞いたのか聞いてないのかわからないが彼女と子供たちは家を後にした。一人布団にくる舞ながら本を読んでいるとあまりにも静か過ぎて眠りに陥ることができない。いつもは子供たちの元気な騒音のような世界で読書しているものだからこの異様な静けさが別世界のようで長い時間溶け込めないでいた。彼女と約束した１０時が過ぎ１１時になったころを見計らい彼女の家族専用携帯に電話を入れる。「今からお店に行く」というと彼女の声と共に相変わらず約束を平気で破る彼女に「もういい自分が行くから今日は西原に泊まっていけ」いつものようなのんきで無責任なカミさんであった。そして、「偏頭痛のような痛みを抱えながらお店に出た私だったのです。二日連続かんからにお越しの北海道の田中さん、これがお店に遅れてきた真実です。今日は最後の晩餐をかんからでやりましょうの公約どうり早い時間からお店に出られるでしょう。このようにブログ打てるまで脳が回復してきました。」